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2014年1月22日 (水)

<緊急>ヤーズと血栓症について

 この度、ヤーズと血栓症についてテレビや新聞で報道され、不安に思われた方も多数いらっしゃると思います。今回の報道をきっかけに、多くの方がピルに対して誤解されてしまわないようにという思いと、今一度血栓症について知っていただきたい思いでこの記事を書かせていただいております。

 当院でもヤーズはむくみや倦怠感、吐き気などが少ない事から多くの患者様に処方させていただいております。今現在、明らかな副作用もなく、ピルを飲んで確実な避妊、そして月経痛の改善や多くのメリットを感じている女性まで服用を止めては本当にもったいないと思っています。

 もちろん、内服を不安に思われてやめる場合には、ピルはいつやめても支障はありません。シートの途中でやめた場合にはその分、月経が早くくることになるだけです。しかしやめた後内服を再開される場合には初回と同様に血栓症のリスクが高くなります。

 ピルによる血栓症は、例外はありますが多くは飲み始めて3ヵ月以内に起きることが多いと報告されています。今回の3人の方はこれ以上の服用期間の方もいますが、血栓症はピルだけが原因で起きる病気ではないので、いろんなケースはあります。実は血栓症はピル以外にもとても多い病気なのです。

 2012年に公表された米国の有名なデータがあります。ピルを飲んでいない女性10,000人の中で1年間に血栓症になる女性は1~5人です。ピルを飲むと3~9人に増えます。しかし、妊娠初期では5~20人に増え、お産の後の12週間は何と40~65人にも増えるのです。そしてタバコとピルの比較では、ピルの死亡リスクを1にすると、タバコは167倍というWHOの有名な報告があるのです。ピル服用者の血栓症はニュースで流れ、喫煙女性が血栓症になってもニュースにならないのは何故なのでしょうか?

 もちろんピルを飲んでいる時にはわずかに血栓症のリスクは高くなりますから、次の5つの症状には注意して下さい。喫煙者、肥満、高齢者、長時間の航空機などの場合は、ピルを飲んでいない人でもこの5つの症状は大事です。

1.腹痛(普通の腹痛でなく、転げ回るほどの)

2.胸痛(これも胸の強い痛みで息苦しさを伴うもの)

3.頭痛(普通ある頭痛でなく、今までに味わったことのないような強い頭痛や視野の狭窄や光がちらつくなど前駆症状を伴うもの)

4.視覚障害(異常にまぶしさを感じたり、視野の狭窄やものの見え方がおかしいなど)

5.強いふくらはぎの痛み(足が張る程度ではなく、ふくらはぎに強い痛みであり、痛い方の足が腫れている、皮膚に変色が見られるなど)

 これらの症状があったときにはすぐに低用量ピルの服用を中止し、当院に受診をしていただくようお願い申し上げます。血栓症の疑いのある患者様には来院時に採血を行っております。または循環器を専門にしている内科を受診し、ピルを服用していることを伝えて診察を受けて下さい。この様なことを覚えておけば万が一の場合でも重症化することはまずありません。

 ヤーズは月経困難症や月経前緊張症に対してとても効果のあるお薬で、私自身も以前内服していたピルから1年前にヤーズに変更しましたが、とてもよい状況を維持できています。

 でも血栓症は頻度が少ないながらも起きてしまうと命に関わる事もありますので、血栓症を疑う上記症状がある場合には必ず一度外来受診をお願いいたします。またご希望がありましたら他のピルに変更することも出来ますので遠慮なくおっしゃってください。毎月の月経が少しでも皆様の生活に支障をきたさないよう産婦人科でお手伝いできる事を今後も継続できれば幸いです。

(岩見)

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