« 『プレママわくわくセミナー』でした | トップページ | 卵管鏡始めました。 »

2014年10月21日 (火)

昼顔妻と産婦人科医療の関係(2)

ドラマの方は程々にドロドロの最終回ではありましたが、不倫被害者サイドのやり方にちょっとツメの甘さが感じられました。現場に踏み込むなら行為の真っ最中が効果的だろうし、その後の交渉でもぐうの音も出ない程にキッチリ締め上げることが可能だったと思います。
Simgp9572

前回の続きになりますが、離婚した上◯彩さんが妊娠した場合の子の扱いについてです。民法第772条2項では「婚姻の成立の日から200日を経過した後」または「婚姻の解消もしくは取り消しの日から300日以内に生まれた子」は、「婚姻中に懐胎したものと推定する」ことが規定されています。このため、離婚から300日以内に生まれた子は、原則として前夫の子として戸籍に記載されます。離婚時に上◯彩さんが既に妊娠していた場合には、概ね300日以内に満期産として出産になります。そうすると生物学的な父親が誰であれ、民法上の父親はHIR◯さんという扱いになります。

一方、離婚時には妊娠していなくて、正式な離婚後に懐妊した場合はどうなるでしょう。離婚直後の妊娠の場合、満期産でも300日規定に引っ掛かるので、子はHIR◯さんの戸籍に記載されます。子がHIR◯さんの戸籍に入らないためには、ある程度の避妊期間が必要となります。満期産(正期産)となる妊娠37週(=259日)を想定すると離婚後40日以降の月経まで避妊すれば良いですが、妊娠22週(=154日)の早産まで想定すると、離婚後5ヶ月程は避妊期間が必要となります。子を確実に斎◯工さんの籍に入れるには、離婚後6ヶ月(=180日)の女性の再婚禁止期間や、再婚の成立から200日を経過した後などの制約もあるので更にややこしくなります。


しかし、平成19年5月21日から取扱いが変更され、「懐胎時期に関する証明書」が添付され、推定される懐胎時期が離婚より後の日である場合に限り離婚後に懐胎したと認められ、民法第772条の推定が及ばないものとして、母の嫡出でない子又は後婚の夫を父とする嫡出子出生届出が可能となりました。

「懐胎時期に関する証明書」は医療機関で記載されますが、妊娠 11 週 6 日を過ぎると客観的に懐胎時期を推定するのが困難になるので、妊娠と考えられる場合には速やかに医療機関を受診して、証明書発行が可能な時期を逃さないよう注意が必要となります。また、この証明書を用いて届け出た場合、子の身分事項欄には出生事項とともに「民法第772条の推定が及ばない」旨が記載されます。「民法上の父子関係を推定されない子」は、いつでも誰からでも、親子関係否認の訴えを提起される可能性があり、法的な立場は弱くなってしまいます。

そういう訳で、産婦人科医としては、証明書を記載する事はできますが、後々面倒にならないためには、ややこしい時期にはしっかり避妊していただきたいと思う今日この頃です。下記のリンクをどうぞ。(江坂)

『みんなに知ってもらいたいピルのこと』

« 『プレママわくわくセミナー』でした | トップページ | 卵管鏡始めました。 »

コメント

こんにちは、副院長の江坂です。
うちの院長が失礼をいたしました。今後、このような事が無いように、私から言い聞かせておきます。
この度は貴重な御意見をありがとうございました。

(江坂)

今月、受診したら、診察中に院長先生がガムか飴を食べていて、不快に思いました。聞いて下さり、ありがとうございました。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1957099/57513718

この記事へのトラックバック一覧です: 昼顔妻と産婦人科医療の関係(2):

« 『プレママわくわくセミナー』でした | トップページ | 卵管鏡始めました。 »